メディアでは「天才」「女帝」などと呼ばれている襟川恵子氏。
あのコーエーテクモHDを時価総額8千億円超えの大企業に育て上げた人物です。
また商才だけでなく、投資家としても一目置かれており、成績は"その辺のファンドマネージャーよりも遥かに優秀"。
彼女さえいればコーエーテクモは潰れないでしょうね。
博学多才な襟川恵子氏ですが、一体どのような半生を歩んできた人物なのか?
襟川恵子の経歴(プロフィール)と、過去の投資伝説を調査しました。
目次
襟川恵子とは何者?プロフィールを時系列で紹介
襟川恵子氏は何者なのか?
簡潔に言うならば、日本屈指のスーパーキャリアウーマンです。
▼襟川恵子の経歴(プロフィール)
1961年:小学6年生まで群馬県にある祖父のもとへ
※その後、再び横浜に戻る
1971年:多摩美術大学を卒業
1978年:光栄(現:コーエーテクモゲームス)を設立
1999年:コーエーの代表取締役社長就任
2001年:コーエー 代表取締役会長就任
2009年:コーエーテクモHD設立
2013年:コーエーテクモホールHD代表取締役会長(現任)
2021年:ソフトバンクG社外取締役(現任)
御年74歳の襟川恵子氏は、コーエーテクモHDの代表取締役を務めながら2021年からはソフトバンクバンクGの社外取締役を兼任しています。
時価総額7兆円超え、誰もが知るソフトバンクから社外取締役を任される。
あの孫正義からも信頼されているという意味でも、襟川恵子が超優秀な経営者であることは間違いないでしょう。
商才ある襟川氏ですが、彼女にはもう一つ”投資家としての顔”があります。
襟川恵子の『投資伝説』運用利回りは脅威の20%超え?
襟川恵子氏は、祖母の手ほどきで高校生の頃から株式投資を始めていたそうです。
現在も、自身が代表を務めるコーエーテクモHDの資金を運用する機関投資家としての顔も併せ持っています。
資金は約1,200億円ほどで、コーエーテクモが保有する現金のほとんどを投資有価証券で運用しています。
Twitterでは、コーエーテクモが過去10年(2010年~2020年)の資産変動を可視化している方がいたので参考までに。
▼襟川恵子 過去10年の投資実績
引用元:Twitter
資産運用益は約15倍、投資有価証券は3.8倍とその辺のヘッジファンドディーラーよりも遥かに優れた成績を残している様子が見て取れます。
2022年6月に発表された、2022年3月期の有価証券報告書を見ても、営業利益(本業)が約345億円に対し、投資有価証券売却益は約230億円。
▼コーエーテクモの有価証券報告書(2022年3月期)
引用元:(株)コーエーテクモHD
つまり、襟川恵子氏一人で年200億円以上を稼いでいることがわかります。
コロナ相場で多くの投資家が痛手を被った中でも、資産を増やし続けているその投資手腕は流石といったところです。
投資巧者も2023年のレンジ相場には苦戦
コロナ相場で大きな利益を手にした襟川恵子氏ですが、2023年は苦戦している模様。
▼コーエーテクモ第3四半期報告書(2023年3月期)
引用元:(株)コーエーテクモHD
昨年同期は150億以上あった有価証券売却益、今期は17億円まで減少しています。
この他にもデリバティブ評価損は126億円を計上。
※デリバティブとは?
先物取引、オプション取引、スワップ取引などの総称。
営業利益においては同15.2%減、経常利益同56.5%減となっています。
これにはSNSでも「女帝も苦笑い」「投資は常勝ではない」といった評判が寄せられていました。
▼襟川恵子の評判
引用元:Twitter
どれだけ優秀な襟川恵子といえど『株の失敗』は避けられないということですね。
少し前に「勝率100%を実現」なんて広告で話題を呼んだ元証券ディーラーがいましたが、物の見事に炎上していたのが記憶に新しいです。
> > 必勝宣言で炎上した大岩川源太 の検証記事はコチラ
襟川恵子の投資手法と投資スタイルを調査
株式投資で億超えの利益を稼で出す襟川恵子氏。
株長者の襟川氏がどのような基準で株を選び、何を見て売買判断を下しているのか?
その投資スタイルにメスを入れていきます。
特に米国株、GAFA各社は昔から保有しているそうです。
他にも注目テーマである、AI関連やIOT、セキュリティー関連といった分野も視野に入れているとのこと。
またコロナ後を見据え、旅行関連の銘柄への投資も検討しているそうです。
余談ですが、襟川氏は「個人的にはネットフリック株が一番好き」らしいです。
過去には200~300近い銘柄を運用していたようですが、現在は半分ほどとのことなので100銘柄前後だと推測されます。
ただ襟川氏の考えとしては、20~30銘柄の運用が理想とのこと。
理由としては、分散しても相場全体が下げれば意味がないから。
コロナ相場という逆境を乗り越えた襟川氏ならではの声ですね。
「株は上がったり下がったりするもの。下がったときは売らずに持っていればいい。待っていればまた上がるから」という投資哲学も持っている襟川氏。
かなり主観的な選び方なので、一個人投資家が真似するのはほぼ不可能でしょう。
100億円規模の運用を行う同氏のスタイルを個人投資家が参考にするには、些か難易度が高いと言えます。
しかし我々と同じ個人投資家として成功を収めた人物の手法やスタイルであれば、取り入れやすい部分が多いでしょう。
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女性株長者:襟川恵子の保有銘柄
襟川恵子氏は現在、どの会社の株を保有しているのか?
ネット調査で確認できたのは、コーエーテクモHDの子会社であるコーエーテクモゲームスの保有銘柄のみでした。
それが以下の2銘柄です。
▼コーエーテクモゲームスの保有株
保有額:6億6,200万円
保有株数:27万株
保有割合:2.92%
銘柄:HEROS(4382)
保有額:6億6,200万円
保有株数:270,000株
保有割合:2.92%
また襟川恵子氏が社外取締役を務めるソフトバンクGのHPには、2022年3月31日時点で213,000株を保有しているとの記載を確認。
この他にも、米国株ではGAFAの株を長期保有していることは明らかになっています。
ただ、その他の保有株についてはほとんど情報を確認することが出来ませんでした。
まあ当然と言えば当然ですかね。
もし大量保有報告書に襟川恵子(コーエーテクモ)の名前が出れば、良くも悪くも大きな話題を呼ぶのは免れないでしょうから。
▼併せて読みたい
・最強の個人投資家『五味大輔』の保有株
・100億円投資家『片山晃(五月)』の半生
孫正義を「孫ちゃん」と呼べる関係性
2021年5月、ソフトバンクGの会長を務める孫正義氏から突如、社外取締役候補として指名を受けた襟川恵子氏。
このことは当時、経済界でも大きな話題となりました。
実は襟川氏と孫氏は20代の頃からの付き合い。
パソコン用のゲームソフトを孫氏の会社相手に卸す交渉をしている中で親しくなったそうです。
孫正義氏のことを「孫ちゃん」なんて呼べる女性は襟川氏くらいでしょうね。
現在でも、ソフトバンクGとコーエーテクモはオンラインゲームの分野で提携を結ぶなど、公私ともに関係が続いています。
若い頃から強心臓だったと分かる襟川恵子の体験談
商才・投資センスを兼ね備える襟川恵子氏ですが、若い頃から強心臓の持ち主だったことでも有名です。
「自信のある商品を売り出す時に遠慮は不要」という考えを持つ襟川氏。
1988年には、任天堂のファミコン用にソフト『信長の野望』を卸します。
ただそこで大きな障壁となったのが販売する際の金額です。
当時、ソフトの相場は5,000円前後。
それに対し、『信長の野望』は9,800円と約2倍の金額でした。
価格設定を巡っては、当時の任天堂社長『山内溥』氏とも相当やり合ったそうです。
それでも自分の信念を貫き、9,800円で販売する権利を勝ち取った襟川氏の交渉術。
コーエーテクモが今の規模まで成長した背景には、襟川恵子氏の強靭なメンタルは必要不可欠だったと言えるでしょう。
先見の明:襟川恵子は乙女ゲームを最初に作った女
経営・投資で手腕を発揮する襟川恵子氏。
世の中にまだないが確かにある需要を見つけ出す”先見の明を持つ女性”であることは間違いないでしょう。
ゲーム=男性のものという概念を最初に壊したのも襟川恵子氏です。
約30年前、襟川氏はコーエーテクモゲームスの女性スタッフが集うゲーム開発チーム『ルビーパーティー』を立ち上げます。
1994年9月23日には女性向けネオロマンスゲームの1作目『アンジェリーク』が発売されました。
▼ネオロマンスゲーム第1作『アンジェリーク』
引用元:Amazon
アンジェリークの発売を皮切りに『遙かなる時空の中で』や『金色のコルダ』など、つぎつぎとヒット作を連発したルビーパーティー。
女性向け恋愛ゲームという一大ジャンルを確立させました。
また声優がCDを出すというのも、襟川氏とルビーパーティーから始まったと言われています。
今では声優さんがCDを発売することやライブを行うことは一般的ですが、当時はまったくそういう文化がなかった時代。
「人類の半分は女性なんだからきっと売れる」と信じ開発を続けた襟川氏の見立ては間違っていなかったことの証明と言えます。
シブサワ・コウ(襟川陽一)をブランド化した経営術
襟川恵子氏の旦那で、コーエーテクモのゲームプロデューサーの襟川陽一氏。
▼シブサワ・コウ(襟川陽一)
引用元:(株)コーエーテクモHD
シブサワ・コウの名義で発売した『信長の野望』『三國志』シリーズは、爆発的ヒットを記録しました。
歴史シミュレーションゲームのパイオニア的な存在であるシブサワ・コウですが、命名したのはもちろん襟川恵子氏です。
そしてコーエーテクモ=シブサワ・コウというブランドイメージを作り上げたのも当然、襟川恵子氏です
前章でお伝えしたように、信長の野望が発売された当初、ゲームソフトの価格は5,000円前後が相場でした。
それでも9,800円という強気価格で勝負を決めた襟川恵子氏。
信長の野望が売れたのには”シブサワ・コウが作ったゲームだから”というブランドイメージの浸透に成功したことは間違いないでしょう。
恵子氏が稼いだ金で陽一氏が良いゲームを作り売る。
夫婦二人三脚でコーエーテクモを大企業に成長させました。
また2022年には、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で3DCG地図監修として参加。
2015年放送『真田丸』に続き、シブサワ・コウ開発の3Dマップが採用されました。
余談ですが、シブサワ・コウの由来は陽一氏が尊敬する渋沢栄一の「シブサワ」からきています。
そこにコーエーの旧社名・光栄の光から「コウ」でシブサワ・コウ。
本来なら恵子氏が表舞台に出て活躍してもおかしくなかったはずなのに、陰の実力者として動いた経営術は流石です。
当サイトでもメディアなどで活躍する女性投資家をフォーカスしてますが、皆さん表舞台が好きですからね。
元フォーブスTOP20の『竹村尚子』氏や、メディアに引っ張りだこの『馬渕磨理子』氏などはその代表例。
投資にも男性がやるものというイメージがあるかと思うので、女性投資家にはその印象を変えてくれるよう期待したいところです。
襟川恵子(コーエーテクモ)の次なる挑戦はVR事業
襟川恵子氏(コーエーテクモ)がいま力を入れているのがVR市場です。
ただ幹部や社長の陽一氏からは反対的な返事が返ってきたVRの新ビジネス。
普通の経営者なら開発をストップするところですが、恵子氏のモットーは「世の中にないものをつくる」です。
まだこの世にない五感で体験する『VR SENSE』を開発します。
▼VR SENSE
引用元:(株)コーエーテクモHD
『進撃の巨人』や『戦国無双』といった人気アニメやゲームとのコラボも実施。
今後、VR SENSEがどのような進化を遂げるのか、楽しみですね。
コーエーテクモHDはどんな会社か?現在の株価は?
コーエーテクモHDは、パソコンや家庭用のゲームソフトをはじめ、オンラインゲームやスマートフォンゲームなどの開発を行う企業です。
2023年5月時点の時価総額は約8,350億円。
そんなコーエーテクモも10年前はまだ『株価500円以下の低位株』でした。
▼コーエーテクモの株価チャート
コロナ禍の行動制限も相まって業績を伸ばしたコーエーテクモHD。 株価も上昇し、2021年9月には3,000円に迫るほどでした。
ゲーム株は跳ねれば大化けする可能性が高いことから、一攫千金を狙う投資家は少なくないですからね。
コーエーテクモHDが今後、どのような成長を遂げるのか。
気になる方は、コーエーテクモの株を買ってみてもいいかもしれません。
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・安い株『100円以下の株』が狙い目?
・高騰期待『2023年のテンバガー候補』を厳選
信長の野望懐かしいですね。昔やってました。シブサワコウは知ってましたが奥さんが凄い人とは知らなかったです。