アセットアロケーションとは各資産の資金配分を調整してリスクとリターンをコントロールする資金管理術の一種です。
リスクの高い投資先に偏っていないか、逆にリターンが小さい投資先に偏っていないかなどを確認し、自分の求めるリスクとリターンを実現出来る状態になっている確認するためのものです。
言うなれば分散投資を意味のある分散投資にするのがアセットアロケーションです。
ただの分散では意味が無く、アセットアロケーションに従った分散投資を継続することで意味が生まれると言っても過言ではありません。
そんなアセットアロケーションについて、以下の場合分けに対してそれぞれの理想的な配分を解説していきます。
▼以下のように場合分けして理想的な配分比率を紹介
・年齢ごとの理想的な配分比率
・求めるリターンの大きさごとの配分比率
目次
アセットアロケーションの理想的な配分比率~リスクとリターン編~
アセットアロケーションを組むうえで意識したいのは自分の投資目的や計画です。
リスクを負ってもいいので大きなリターンが欲しい場合やその逆の場合、また十年単位で長く運用したい場合や数年間の運用で切り上げる場合など。
目的と計画によってアセットアロケーションの内容は変わります。よってこれらの場合分けした理想的な配分をご紹介致します。
損失リスクをなるべく取りたくない場合の配分になります。その分リターンも小さくなる傾向にあります。
▼アセットアロケーション例
株式:33%
債券:33%
現金:33%
▼内訳
株式:国内株式33%、先進国株式33%、新興国株式33%
債券:国内債券33%、先進国債券33%、新興国債権33%
投資商品の価格下落時に動じないよう、そして場合によっては安値で買い増しできるよう現金比率を多めに、そして株価下落の損失をカバーする為債権を加えています。
現金はインフレリスクにさらされますので、配分を多くすればそれだけ資産運用のリスクが小さくなるわけでもありません。2割~3割程度が良いのではないかと思います。
また為替リスクにも晒されますので、日本円だけでなく米ドルなどの外貨でも分散して持っておくといいでしょう。
株式は国内や先進国、新興国などの地域分散をすることが重要です。一度にすべて下がってしまうリスクを回避できますし、何かが価格下落すれば他の株式が上がって損失をカバーしてくれることもあります。
個別株をあれこれ探すのが難しいという方は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という投資信託に投資するのでもいいでしょう。
これは通称オルカンと呼ばれ、国内、先進国、新興国の50か国890銘柄に分散投資する投資商品です。リターンは小さいものの相場状態の悪化に強いのが特徴です。
>>eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の利回り、強みを解説
債権は株式に比べ値動きが小さく、また価格には負の相関関係があります。
株式が下がれば債権が上がるような関係性です。
株式と債券、どちらかが下がってももう片方がカバーしてくれる関係にあります。
損失リスクが大きくなる代わりに、大きなリターンを狙えるアセットアロケーション比率です。
▼アセットアロケーション例
株式:75%
債券:20%
現金:5%
▼内訳
株式:国内株式10%、先進国株式80%、新興国株式10%
債券:国内債券33%、先進国債券33%、新興国債権33%
債券、現金などに比べて株式はハイリターンを狙えるアセットクラスです。
そんな株式の中でもさらにハイリターンを狙える投資先候補をいくつか紹介します。
2-1.低位株
主に株価500円以下の個別株です。何か材料が出ればあっという間に大化けすることが多く、株で大きな利益を狙う投資家に好まれています。
実際にテンバガー銘柄の多くは低位株から出ているので、リターンの大きさを求めるなら低位株に積極投資するのもアリでしょう。
>>2022年のおすすめ低位株を紹介した記事はコチラ
2-2.レバレッジ、インバース型ETF
レバレッジ、インバース型ETFとは簡単に説明すると通常の2倍や3倍の値幅で値動きをするETFです。
ETFは日経平均やS&P500などの指数とほぼ同じ値動きをする金融商品ですが、レバレッジ、インバース型ETFは指数の動きの2倍や3倍の大きさで値動きします。
大きな利益を得られる投資先として非常に注目が集まっています。詳しくは以下の記事で解説しています。
>>レバレッジ、インバース型ETFのオススメを紹介
また高騰期待の個別銘柄をAIが分析して選び出してくれるAlphaAIというソフトもあり、このソフトは近年精度が高いと評判になっています。
具体的な個別銘柄を教えて欲しいという方は活用してみるのもいいでしょう。
▼AlphaAIの評判
> AlphaAIの成績と評判の解説記事 はコチラ
アセットアロケーションの理想的な配分比率~年齢編~
前項ではアセットアロケーションの資金配分についてリスクとリターンを軸に見ていきました。
本項では運用者の年齢を軸に理想的なアセットアロケーションを見ていきます。
30代でのアセットアロケーションでは以下の配分が理想です。
▼30代の理想的なアセットアロケーション
・世間的にはハイリターン型
・私としてはローリスク型
・時間の分散を行うこと
30代とまだ若い場合は、リスクを取って大きなリターン狙いの資金配分がお勧めだというのが世間一般の見解です。
その場合は前項のハイリターンなアセットアロケーションを参考にしていただければと思います。
ですが逆に私としては、長い投資期間を確保できるからこそ堅実に増やしていく内容が良いのではと考えています。
故に前項のローリスクなアセットアロケーションを参考にするのが良いのではないかと思います。
また10年20年後のインフレ対策をしたいので、現金の一部分を金(GOLD)などの安定資産に割り振るのもいいでしょう。
そして30代の長期投資の場合重要となるのは時間の分散です。
一気にまとめて買ってしまうのではなく、毎月一定額買い増ししていくなど購入する機会を増やすことが重要です。
これによって買値の平均化を図り、高値掴みの損失を避けることが出来ます。
これはドルコスト平均法という長期積立投資の王道手法なので、ぜひ活用してみてください。
▼50代の理想的なアセットアロケーション
・ローリスク型のアセットアロケーション
・株式の割合は(100-年齢)%が理想的
50代ではローリスクのアセットアロケーションを組むべきでしょう。今後の収入が見込めないので、大きな損失を負った時に取り返すのが難しくなるからです。
また若い頃より貯蓄があるでしょうから、ローリスクローリターンの運用でもそれなりの額の利益が見込めることも理由の一つです。
一般的にリスク資産である株式への投資額は、現金を除いた資産運用分の内(100-年齢)%と言われています。
50歳の方であれば資産運用額の内50%を株式に割り振るということになります。
前項で例に出したローリスクアセットアロケーションの場合は現金33%、債券33%、株式33パーセントですからちょうど当てはまりますね。
よって50代の方は前項のローリスクアセットアロケーションが理想的な配分と捉えて問題無いのではと思います。
アセットアロケーションの万能最強比率はコレだ
アセットアロケーションには投資家それぞれの状態によって理想的な配分が変わることをご説明してきましたが、では誰にでも当てはまる万能なアセットアロケーションはないのでしょうか。
これまでの説明を見ていただいた方にはご理解いただけると思いますが、そんなに都合の良いものあはありません。
言うなれば最強のアセットアロケーションとはローリスクハイリターンな内容ということになるわけですが、そんなものはありません。
基本的にリスクとリターンは比例します。期待出来るリターンが大きくなるほど損失リスクも増えていくのです。
そのバランスを投資家毎に調節するわけですから、誰にでもちょうどいいものは存在しません。
大谷翔平選手にとって適切な運動は私にとって全く適切ではないのと同じです。
アセットアロケーションを調べるとよくリスクが大きめの~小さめの~という例が出てくるが、正直自分がどの程度のリスクまで許容したらいいのかわからないという(笑)全部手取り足取り誰か教えてくれいというのが本音。