株式相場が大きく変動している時こそ利益を狙うチャンス。しかし何を買えばいいのかわからない。
そんな時に相場変動の恩恵を存分に得られる投資先がレバレッジ型、インバース型ETFです。
この二つの種類のETFについて、2022年7月に選んだ今買うべきおすすめETFを紹介します。
目次
おすすめの国内レバレッジ・インバース型ETF
▼オススメ国内ETF
・NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)
・日経平均ベア2倍上場投信(1360)
上記の2種は元となる指数の値動きに対して負の値動きをするインバース型ETFです。
今後数年米国経済の後退が予想されており、そうなれば日経平均も下落していく可能性があります。
その際現物保有株の下落損失をカバーするどころか、むしろ相場の下落を大きな利益に変換できる可能性があるのでオススメとしています。
1.NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)
日経平均株価の変動率の2倍、負の値動きとなるよう運用しています。
日経平均が5%下がれば1357は10%値上がりします。
また国内ETFの中で最も出来高が多く、2位のETFの約5倍もあります。
出来高が多いETFは価値を正確に反映した価格となりやすく、イメージ通りの売買がしやすくなるメリットもあります。
▼チャート
2.日経平均ベア2倍上場投信(1360)
日経平均株価の変動率の2倍、負の値動きとなるよう運用しています。
年間リターンランキング2位のベア2倍ETFとなっています。
▼チャート
日経平均が下がると思ったタイミングを狙って購入し、利益が出ればすぐに売り抜けてしまうのがお勧めです。
それが難しいと感じる方は、相場の動向をわかりやすく解説してくれる後藤達也氏や直近のニュースが株価に与える影響を解説してくれる森口亮氏の発信情報を参考にするとよいでしょう。
おすすめの米国レバレッジ・インバース型ETF
▼おすすめ米国レバレッジETF
・Direxion デイリーヘルケア株ブル3倍ETF(CURE)
・Direxion デイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)
1.Direxion デイリーヘルスケア株ブル3倍ETF(CURE)
デイリーヘルスケア株ブル3倍ETFは医薬品、ヘルスケア機器および用品、バイオテクノロジーなどの企業で構成されたETFです。
ヘルスケアセクターは景気後退の局面で強いとされているセクターです。
CUREは今後米国の景気後退により相場状況が悪くなっても、他のセクターより相対的に良好なパフォーマンスを期待できます。
▼チャート
2.Direxion デイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)
本格的に金融政策が行われると言われ始めた2022年初頭から米国の株価は継続して下がり続けています。
この下落は金融政策が終わる2022年年末ごろまでは少なくとも続くと思われ、その間はベアETFとして、このDirexion デイリーS&P500ベア3倍ETF(SPXS)をおすすめします。
このレバレッジETFは原指標(S&P500インデックス)の値動きの反対方向の300%のパフォーマンスに連動した成果を目指しています。
S&P500が下落しそうなタイミングで購入するのが一般的な使い方になります。
▼チャート
レバレッジETFとは
レバレッジ型ETFとは指標(TOPIXや日経平均など)の2倍、3倍の変動率で値動きする金融商品です。
金融商品によって2倍の値動きをするものもあれば、3倍の値動きをするものもあります。
例えば日経平均に連動する日経レバレッジ指数ETF(1570)の場合、日経平均の値動きの2倍の大きさの値動きをします。
日経平均が5%上がれば日経平均レバレッジ指数ETFは10%上がるということですね。
逆に日経平均が5%下がれば日経平均レバレッジ指数は10%下がります。
レバレッジETFの値動きの特徴
レバレッジを利かせたETFは相場の上昇をより大きな利益に変換できるのが強みです。
例えば連動する指数が毎日10%ずつ値上がりしたとしましょう。
指数の基準価格を1000円とすると、
▼指数が毎日10%上昇した場合
1000円→1100円→1210円→1331円
となります。では2倍レバレッジを利かせたETFの場合だと
▼2倍レバレッジETFが毎日20%上昇した場合
1000円→1200円→1440円→1728円
注目して欲しいのは2日後の上昇率です。10%ずつ上昇している指数の場合、2日後の上昇率は21%。
対して20%ずつ上昇しているレバレッジETFの場合、2日後の上昇率は44%。
単純に指数の2倍の値動きとは言っても、それが数日続くと2倍以上の利益率を出すことが可能なのです。
基本的には連日の上昇が見込める短期だけの運用で用いるのがレバレッジETFの基本的な運用方法になります。
相場が上がり始めた時に買い、下がり始めたらすぐに売ってしまうのが良いでしょう。
長期保有は基本的にお勧めしません。
レバレッジETFのデメリット
ここでは例として
・TOPIX(赤線)
・TOPIXの値動きに連動するETF「ダイワ上場投信-トピックス」(青線)
・TOPIXの2倍の値動きで連動する「ダイワ 上場投信-TOPIXレバレッジ」(緑線)
それぞれ値動きの特徴をみてみましょう。
▼値動きの比較
グラフからは、TOPIX(赤)とETF(青)がほぼ同じ動きをしているのに対し、レバレッジETF(緑)は上昇時は大きく上げ、下落時には大きく下げていることがわかります。
これは、「ダイワ 上場投信-TOPIXレバレッジ」(緑)がTOPIXに対して日々の変動率の2倍の値動きをするよう運用されているからです。
注意点として連動する指数がずっと上昇するなら大幅な資産増が狙えますが、上下を繰り返す状況では資産が目減りしやすくなっています。
それを説明したのが以下の表。この表はTOPIXとレバレッジ2倍ETFが同じ騰落率で株価の上下を繰り返した結果、資産が最終的にどのような値になるのかを示したものです。
▼パフォーマンスの比較
1日目に株価上昇、2日目に株価下落、3日目に株価上昇したとします。
TOPIXは元の100の値に戻ってきていますが、レバレッジETFは93.4と戻りきっていません。
このような現象を減価と言います。
▼レバレッジETFの減価
株価が上下に動く相場状況の場合は、レバレッジ2倍ETFパフォーマンスは資産がどんどん減っていく特性があります。
インバースETFとは
インバースETFとは指数の逆方向に2倍や3倍の値幅で値動きする金融商品です。
例えば日経インバETFでは日経平均の逆方向に2倍の大きさで値動きします。
日経平均が5%下がれば日経インバETFは10%上がり、日経平均が5%上がれば日経インバETFは10%下がります。
インバースETFの値動きの特徴
インバースETFはレバレッジETFの逆ですので、指数が下がり続けた場合に大きな利益を出すことが出来ます。
指数が連日下がり続けると、その下がり幅以上にインバースETFは値上がりし、大きな利益を出すことが出来ます。
逆に指数が上がってしまうとインバースETFは値下がりしてしまいます。
レバレッジETFの時と同様に、短期的に指数が下がり始めたタイミングで買い、指数が反発したら売る短期運用がお勧めです。
インバースETFのデメリット
インバースETFもレバレッジETFと同様に価格の上下を繰り返している中持ち続けるのは不利に働きやすいです。
値下がり分を取り戻すのが難しいため、じわじわと損失が広がっていくのがレバレッジ、インバースETFに共通するデメリットです。
レバレッジ・インバースETFのメリット、デメリット
その他メリットやデメリットも含めて、強みや弱みをまとめてご紹介致します。
▼メリット
・(同じレバレッジを効かせて運用する)信用取引や先物取引に比べ、取引手続きがシンプルで、株式が取引できる口座を開いていれば購入できる
・取引効率が高いため、効率よく資産を増やせる可能性がある
・取引時間内であれば好きなタイミングで売買できる
・原指標(TOPIXや日経平均など)が身近なものが多いため、価格の動きがわかりやすい
・自己資金を超えて投資をすることがないため、リスクは高いが限定的(減っても0円まで)である
・選ぶ商品によって、上昇局面、下落局面、どちらでも利益を狙うことができる
・現物株のリスクヘッジとして活用できる
▼デメリット
・損失額は原指標(TOPIXや日経平均など)よりも大きい
・価格が回復する際、原指標(TOPIXや日経平均など)より遅くなる
・上下動を繰り返す相場では、原指標(TOPIXや日経平均など)の値動きと比べてパフォーマンスが悪くなるため、中長期保有には向いていない
レバレッジ・インバースETFは結局儲かるのか?
儲かるかは投資家自身の技量次第と言えます。
長期で持てば持つほど損をしやすい設計のため、ここぞというタイミングで買い、ここぞというタイミングで売ることが出来ればハイスピードの資産形成が可能です。
ただしそれが出来ないと大損を被る可能性が高い諸刃の剣です。
投資が上手い人にとっては儲かるけれど、投資が下手な人にとっては非常にリスクのある投資とも言えますね。