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米ドナルド・トランプ大統領は2025年1月21日、AIインフラ整備のための合弁会社「スターゲート」を新設すると発表。
スターゲートプロジェクトにより、アメリカや日本のどの企業が恩恵を受けるのか気になっている人も多いでしょう。
本記事では、スターゲートプロジェクトの関連銘柄10選(日本企業)と、おすすめのインデックスファンドを3つ紹介。
企業の業績や安全性、割安性などもまとめているので、今後大きな成長が期待できそうな銘柄を選んでみてください。
スターゲートプロジェクトとは?

Stargate Project(スターゲートプロジェクト)とは、OpenAIのために新たなAIインフラをアメリカ国内で構築する新会社。
ここでは、以下の項目でスターゲートプロジェクトについて深掘りします。
- プロジェクトの概要と目的
- ソフトバンクなどの初期出資社4つ
- 期待される成果
プロジェクトの概要と目的

Stargate Projectは、巨大なAIインフラを構築してアメリカの技術・経済、そして安全保障に劇的な変革をもたらそうとするプロジェクト。
総額5,000億ドル(約77兆円)の巨大投資プロジェクトで、まずは1,000億ドル(約15兆円)の初期投資から始まります。
アメリカ各地に大規模なデータセンターが次々と建設される予定です。
ちなみに、2025年度の日本の国家予算は115兆5,415億円。
スターゲートプロジェクトには、日本より少し規模が小さい国の国家予算に相当する資金が投下されます。
ここまで巨額な投資をしてAIインフラを構築する目的は、以下の通り。
- アメリカのAI分野でのリーダーシップを確立すること
- 数十万もの新規雇用を創出すること
- 世界全体に経済的利益をもたらすこと
アメリカ産業の再活性化をサポートするだけでなく、アメリカとその同盟国の国家安全保障を強化するための重要な基盤になると言います。
ソフトバンクなどの初期出資社4つ
Stargate Projectの初期出資社は、日本のソフトバンクグループ、アメリカのOpenAI、Oracle、そして中東企業のMGXの4社。
企業名 | Stargate Projectでの役割 | 強み |
---|---|---|
ソフトバンクグループ | 財務管理を担当(孫正義が会長に就任) | グローバルな投資ネットワークと資金力 |
OpenAI(オープンエーアイ) | プロジェクトの運営責任 | ChatGPTなど最先端のAI技術を開発 |
Oracle(オラクル) | コンピューティングシステムの構築 | エンタープライズ向けデータベースとクラウド技術 |
プロジェクトには、AI技術や半導体などのさまざまな分野のトップ企業が参加しています。
中でも技術パートナーとして、以下の企業がメインとして挙げられています。
- Microsoft(マイクロソフト):OpenAIとの既存パートナーシップを強化
- NVIDIA(エヌビディア):AIコンピューティングシステムの構築
- Arm(アーム):主要テクノロジーパートナー
各社の専門性を活かした役割分担により、プロジェクト全体の効率性と成功の可能性を高めています。
期待される成果
スターゲートプロジェクトは単なる技術開発だけでなく、アメリカや世界全体に大きな影響を与えることを目指しています。
以下はプロジェクトの主要な目標と、期待される成果。
目標 | 期待される成果 | |
---|---|---|
1. AIインフラの構築 | 全米各地にAI専用データセンターを建設 | AI開発と運用に必要な計算能力・ストレージの増強 |
2. 雇用創出 | 10万人以上の新規雇用 | エンジニア、データサイエンティスト、ITスペシャリストなどの高い付加価値職種の雇用を創出 |
3. 経済効果 | 米国経済を活性化 | コスト削減やイノベーションの促進でGDP成長に寄与 |
4. 国家安全保障の強化 | AIを活用した防衛技術、情報分析能力の向上 | サイバーセキュリティ、監視システム、軍事技術の革新 |
スターゲートプロジェクトにより、日本企業にもAIを活用した新たなビジネスモデルの構築が求められるでしょう。
スターゲート計画の関連銘柄10選
スターゲートプロジェクトは、データセンター構築やAIインフラ企業への需要拡大を予期させ、市場は早くも関連銘柄に注目。
ここでは、日本企業で恩恵を受ける可能性が高い銘柄を10つ厳選して紹介します。
企業の直近の業績や財務安全性、株価の割安性をまとめたので、投資先選びの参考にしてください。
PER(株価収益率) | 数値が小さいほど割安、数値が大きいほど割高。 |
ROE(収益性) | 企業の経営効率を見る指標。10%以上が理想。 |
自己資本比率 | 企業の財務安全性をはかる指標。数値が大きいほど安全。 |
半導体4社の銘柄
スターゲートプロジェクトを受け、日本の半導体関連企業では独自のAI戦略を強化する動きが予想されます。
業界(電気機器)の平均値
- PER:18.23%
- 自己資本比率:45.6%
①(6146)ディスコ


現在の株価 | 44,740円 |
PER(株価収益率) | 57.5倍 |
ROE(収益性) | ◎22.4% |
自己資本比率 | ◎72.88% |
②(6254)野村マイクロ・サイエンス


現在の株価 | 2,609円 |
PER(株価収益率) | ◎12.22倍 |
ROE(収益性) | ◎32.10% |
自己資本比率 | 〇40.42 |
③(6920)レーザーテック


現在の株価 | 15,470円 |
PER(株価収益率) | 23.6倍 |
ROE(収益性) | ◎45.4% |
自己資本比率 | ◎55.77% |
④(8035)東京エレクトロン


現在の株価 | 26,205円 |
PER(株価収益率) | 33.44% |
ROE(収益性) | ◎21.8% |
自己資本比率 | ◎71.11% |
データセンター3社の銘柄
米オラクルは今後10年間で、日本国内のデータセンターに約1兆2,000億円を投資すると発表。
またマイクロソフトも、4,400億円の投資を表明しています。
データセンター業界はデジタル社会を支える重要なインフラとして、これから更なる発展が期待されます。
業界(情報通信業)の平均値
- PER:26.65%
- 自己資本比率:58.6%
①(9613)NTTデータグループ


現在の株価 | 3,029円 |
PER(株価収益率) | 31.72倍 |
ROE(収益性) | 8.40% |
自己資本比率 | 23.81% |
②(9719)SCSK


現在の株価 | 3,449円 |
PER(株価収益率) | ◎26.63倍 |
ROE(収益性) | ◎14,10倍 |
自己資本比率 | ◎64.12% |
③(3774)インターネットイニシアティブ


現在の株価 | 2,913.5円 |
PER(株価収益率) | ◎26.06倍 |
ROE(収益性) | ◎16.30% |
自己資本比率 | 〇45.94% |
電線メーカー3社の銘柄
AI開発に欠かせないデータセンター向けの需要拡大が期待され、スターゲートプロジェクト発表後は電線株にも買いが波及しました。
業界(非鉄金属)の平均値
- PER:26.65%
- 自己資本比率:39.5%
①(5802)住友電気工


現在の株価 | 2912.5円 |
PER(株価収益率) | ◎15.17倍 |
ROE(収益性) | 7.30倍 |
自己資本比率 | ◎50.57倍 |
②(5801)古河電気工業


現在の株価 | 7,148円 |
PER(株価収益率) | 77.36倍 |
ROE(収益性) | 2.10% |
自己資本比率 | 〇33.31% |
③(5805)SWCC


現在の株価 | 7,610円 |
PER(株価収益率) | ◎25.61倍 |
ROE(収益性) | ◎12.30% |
自己資本比率 | ◎46.98% |
【新NISA対応】AI・半導体おすすめ投資信託3選
投資の初心者の中には、スターゲートプロジェクトの関連銘柄を個別株として買うのは少しハードルが高いと感じる方もいるでしょう。
ここでは、スターゲートプロジェクトによる恩恵が期待されるAI・半導体の投資信託を3つ紹介。
投資信託であれば、いくつもの地域や企業に分散投資できるので、リスクをおさえられますよ。
- イノベーション・インデックス・AI
- 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
- ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)
①イノベーション・インデックス・AI
「イノベーション・インデックス・AIマザーファンド」への投資を通じて、世界の取引所に上場しているAI関連企業の株式に投資。
投資地域の8割がアメリカで、総収益に対してAI関連の収益が50%以上の企業を組み入れています。
アメリカのAI企業にメインで投資しつつ、他の地域にも分散して投資したい人におすすめのインデックスファンドです。

基準価格 | 41,410円 |
純資産 | 154.76億円 |
管理費用(信託報酬) | 0.8195% |
成績(リターン) | 【1年】40.93%【3年】33.23%【5年】30.20% |
販売会社 | auカブコム証券松井証券楽天証券日興証券SBI証券その他 |
新NISA | つみたて投資枠成長投資枠 |
NISA口座のつみたて投資枠、成長投資枠どちらでも運用できるのが魅力です。
②野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)
世界各国(アメリカ、台湾、オランダなど)の半導体関連企業の株式で厳選された銘柄へ集中投資し、その成長のポテンシャルを最大限に活用することを目指しています。
エヌビディアの組み入れ率がおよそ3割で、その他にもグローバルな半導体企業が含まれます。
信託報酬は高めですが、高い成長性を見込んで攻めの投資をしたい人におすすめです。

基準価格 | 165,660円 |
純資産 | 4426.66億円 |
管理費用(信託報酬) | 1.65% |
成績(リターン) | 【1年】59.28%【3年】46.41%【5年】43.07% |
販売会社 | SBI証券マネックス証券楽天証券野村證券その他 |
新NISA | 成長投資枠 |
半導体業界の動向に敏感に反応するので、リスクは高くなります。
しかし、スターゲートプロジェクトによる恩恵を最大限に受けたい人にぴったりな投資信託。
購入できるネット証券が限られている点と、NISA口座の成長投資枠でしか運用できない点にご注意ください。
③ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)
こちらの投資信託は、米国半導体企業の株価を表すSOX指数の動きに連動し、主要な半導体関連30銘柄で構成。
エヌビディアの比率は12.1%で、ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイセズなどの半導体業界のリーダー企業に投資できます。
個別株投資のリスクを分散しつつ、セクター全体によるパフォーマンスの恩恵を受けられるので、初心者にはとても魅力的です。

基準価格 | 18,699円 |
純資産 | 347.55億円 |
管理費用(信託報酬) | 0.1815% |
成績(リターン) | 【半年】14.58%【1年】24.12%(設定日:2023年3/31) |
販売会社 | auカブコム証券SBI証券松井証券マネックス証券楽天証券その他 |
新NISA | 成長投資枠 |
購入や換金手数料がかからないため、コストパフォーマンスも高いのが特長。
信託報酬などのコストをおさえて投資したい人は、こちらのインデックスファンドを選びましょう。
半導体株は値動きが大きいため少額で積立投資から始めよう
スターゲートプロジェクトの関連銘柄10選と、おすすめの投資信託3選を紹介しました。
AI分野の成長を教授するためには、企業分析したうえで狙った個別株に直接投資してみるのも良いでしょう。
しかし、AI・半導体株の株価は値動きの上がり下がりが激しいため、戦略的な投資が必要。
初心者であれば、少額から積立投資できる投資信託でリスクを分散し、AI・半導体業界のパフォーマンスの恩恵を受けることをおすすめします。