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テレビやYouTubeなどで、桐谷さんが自転車で街を駆け回りながら優待券を使いこなす姿を見て、「彼のように、優待や配当で生活したい!」と思う人は多いのではないでしょうか。
今回、桐谷さんの投資手法や評判を調査したところ、参考にできる実践的なポイントと、注意すべき落とし穴の両方が見えてきました。
本記事では、彼の資産推移や考え方、2025年に注目されているおすすめの株主優待銘柄をくわしく紹介します。
最後まで読むと、あなたの生活スタイルに合った「失敗しない優待投資」の始め方がわかりますよ。
桐谷さんとは何者?
桐谷広人(きりたにひろと)さんは、優待品や配当金で生計を立てて暮らしています。
元プロ棋士という経歴を持ち、将棋で培った思考力を株式投資に活かしている様子がうかがえます。
経歴・学歴

日本将棋連盟の公式プロフィール(引退棋士昇段規定)によると、彼は八段に認定されています。
生年月日 | 1949年10月15日(75歳) |
出身地 | 広島県竹原市 |
住所 | 東京都内 |
過去の経歴 | 元プロ棋士 ・1975年(25歳)でプロ入り ・2007年(57歳)で引退 元証券会社勤務 ・50代で専業投資家へ転身 |
将棋を通じて培われた冷静な分析力や記憶力は、現在の投資生活に大いに活かされていると考えられます。
株主優待で人生を楽しむ
桐谷さんは、証券会社勤務を経て50代で専業投資家に転身しました。それ以来、株主優待を活用して「モノを買わずに、優待でもらう」暮らしを追求中です。
都内在住で自転車を愛用し、日々の移動や買い物・外食・レジャーをすべて優待で済ませる、独自のライフスタイルを築いています。
たとえば、以下のような生活スタイルを取材などで明かしています。
シーン 活用している優待の例
- 【朝食】パンやヨーグルトを食品系優待でもらう
- 【外食】すかいらーく・吉野家などの飲食優待券を活用
- 【趣味】映画鑑賞やフィットネスジムも優待で利用
- 【プレゼント】余った優待券は友人・知人におすそわけ
株主総会の参加も積極的で、年に数十社の会場に足を運び「お土産や軽食を楽しむのも大きな楽しみの1つ」と語っています。
買った銘柄をXで発信

2025年8月時点でXのフォロワー数は46万人を超えており、著名人や多くの一般投資家が桐谷さんの発言に注目しています。
桐谷さんは「どんな銘柄を買ったか」「どんな優待プレゼントが届いたか」などを日々発信しています。
こうした桐谷さんの投稿を参考に、同じ銘柄を買う投資家もいるようです。
株主優待を提供する銘柄は短期で暴落する可能性は低いものの、あくまでも株式なので、株を買っても元本割れするリスクはゼロではありません。
桐谷さんの発言を参考にするのは良いですが、すべての情報を鵜呑みにせず、複数の情報源と照らし合わせながら銘柄選定することをおすすめします。
株主優待にまつわる書籍も出版

桐谷さんは株主優待についての書籍を複数出版しています。代表的な書籍は以下のとおりです。
- 桐谷さんの株入門
- 株主優待のススメ
- 定年後も安心!株主優待生活
- 桐谷さんの株主優待ライフ
株主優待投資を始めてみたいと思っている方は、以下の「桐谷さんの株主優待のススメ(2020年)」をおすすめします。

「そもそもどうやって買うの?」「優待銘柄は他の銘柄よりも安心なの?」といった疑問をもつ初心者の疑問に対して、わかりやすく解説しています
こちらの書籍を読んだ方のコメントは以下のとおりです。
良い口コミ
- 株主優待の楽しさやメリットを実感できる
- 銘柄毎にどんな優待が貰えるのか書いてあって選びやすい
- 桐谷さんの人柄が滲み出ている
批判的な口コミ
- オススメの企業情報は古くなっている
- ネットに落ちている情報ばかり
- 内容的には目新しさはない
5年ほど前に出版されたため、おすすめ銘柄として取り上げられている企業の実態(業績や株価など)は改めて調査が必要です。
優待目的で買う時の選び方や心得など、参考になる情報もあるので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。
桐谷さんの資産推移や保有銘柄は?
桐谷さんは、リーマン・ショック後に優待株中心の投資に切り替え、2024年時点で資産は約5億円に達していると公表しています。
ここでは桐谷さんの資産推移や、現在の保有銘柄について紹介します。
資産推移

桐谷さんの資産は、株主優待を活用しながら長期的に増加しています。
2000年代には約3億円の資産を保有していましたが、2009年のリーマンショックにより、一気に5,000万円まで失ってしまいます。
しかし、そこから優待+配当金で生計を立てることを決意し、資産は以下のように推移していきました。
- 2015年:2億
- 2018年:3億
- 2024年:5億
参照:野村ウェルスタイル
2025年現在の総資産額は公表されていないものの、資産は5億円を超えていると推測できます。
株主優待で生活コストを下げながら、配当金や株価の上昇で資産を増やす戦略は、堅実な長期投資の一例と言えるでしょう。
保有銘柄
桐谷さんは「自分の生活に役立つこと」「利回りが高いこと」を重視した銘柄選択をしており、2025年時点でも約900銘柄ほど保有していると複数のメディアで報じられています。
参照:桐谷さんの株主優待 2025年は連続増配中の銘柄から選ぶ|日経マネー
2024年の野村證券のインタビューによると桐谷さんは自身が保有している銘柄を含め、以下の銘柄がおすすめと紹介しています。
銘柄 | 株主優待の内容 |
---|---|
リコーリース(8566) | 保有年数に応じたQUOカード (最大5,000円相当) |
アグレ都市デザイン(3467) | 1,000円相当のQUOカード |
ケイアイスター不動産(3465) | 1,000円相当のQUOカード |
バロックジャパンリミテッド(3548) | 自社店舗・通販で使える2,000円分のクーポン |
ベルーナ(9997) | 買物券・ポイント・食品等から選択 (1,000円相当) +ホテル・飲食割引券 |
日本エスコン(8892) | QUOカード(最大3,000円相当) ※1,000株〜 |
山陰合同銀行(8381) | ギフトカードまたは特産品 ※1,000株〜 |
稲畑産業(8098) | 保有年数に応じたQUOカード (最大2,000円相当) |
サムティ(3244) | ホテル無料宿泊券 (200株以上) |
優待銘柄は時期や企業の方針で変更されることがあるため、最新の公式情報を確認のうえで購入しましょう。
また、2025年8月5日のXのポストでは「ニトリと日清食品を100株ずつ買った」と報告しています。
桐谷さんと同じ銘柄を参考に、優待投資を始めてみるのも1つの方法です。まずは生活に役立つ優待から試してみてはいかがでしょうか。
投資手法は?
桐谷さんの投資手法は、優待+配当の利回りを重視した長期保有スタイルです。
日経マネーの取材では、銘柄選びの基準として、以下4つを重視していると語っています。
- 「日経連続増配株指数」採用銘柄で優待制度がある
- 配当と優待を合わせた利回りが4%以上
- PER・PBRが割安
- 長期保有の優遇制度あり
参照:桐谷さんの株主優待 2025年は連続増配中の銘柄から選ぶ|日経マネー
これらに当てはまる銘柄は、安定的な成長と高い株主還元が期待できるため、長期投資に適しているとしています。
「日経連続増配株指数」とは原則として10年以上連続して増配する企業70銘柄を対象に算出される。増配企業は「利益が安定している」と見なされやすく、長期保有向き。 |
まずは桐谷さんの投資手法や銘柄選びの基準を理解して納得したうえで、自分の資産状況や投資スタイルに合った判断をするようにしましょう。
【2025年版】桐谷さんが注目するおすすめ優待銘柄
ここでは、2025年のインタビュー記事の内容を参考に、桐谷さんがおすすめする優待銘柄を3つ紹介します。
参考にしたインタビュー記事は以下のとおりです。
AB&Company(9251)
株主優待で自社商品(シャンプーやトリートメント)がもらえる銘柄です。
業種 | 美容サービス(美容室「Agu.」運営) |
株価 | 972円(2025年8月8日時点) |
PER | 11.54 倍 |
PBR | 1.61 倍 |
配当+優待利回り | 約11.11% |
優待内容(年2回) | 自社ECで使える買い物券8,000円相当1枚:100株以上3枚:500株以上 |
配当金(年2回) | 28円(2024/10/31) |
美容系の優待では珍しく利回りが非常に高いため、「利回り重視派」には特におすすめです。
株価が比較的安く、投資額も抑えやすいのが魅力です。
芙蓉総合リース(8424)
19年連続増配中の安定企業で、優待も配当も魅力的です。
長期保有で優待がグレードアップする点を桐谷さんも評価しています。
業種 | 総合リース業 |
株価 | 4,180円(2025年8月8日時点) |
PER | 8.19 倍 |
PBR | 0.79 倍 |
配当+優待利回り | 300株(初年):約 5.62%300株(2年以上):約 5.78% |
優待内容 | 図書カードまたはカタログギフト(3,000円/300株以上)※2年以上継続保有の場合5,000円相当 |
配当金 | 225円(2025/03/31) |
19年連続の増配実績があり、株主への還元姿勢が非常に強い企業です。
長期保有でより優待が充実するため「配当+優待+安定性」を重視する人に適しています。
ソフトバンク(9434)
2万円台から購入できる数少ない優待株の1つです。
少額から投資を始めたい人や、優待投資を試してみたい初心者にぴったりです。
業種 | 通信会社 |
株価 | 224円(2025年8月8日時点) |
PER | 20.33 倍 |
PBR | 4.50 倍 |
配当+優待利回り | 約4.80%(100株・1年以上保有時) |
優待内容(年1回) | 1,000円相当の「PayPayマネーライト」付与/100株 |
配当金(年1回) | 4.3円 |
注目すべきは配当利回り4%超+電子マネー優待という、利便性とリターンのバランスが取れた内容です。
ただし、優待を受け取るには1年以上の継続保有が条件です。たとえば、2025年8月に購入した場合、実際に優待がもらえるのは2026年の権利確定日以降となります。
桐谷さんの評判
桐谷さんの評判をSNSで調査したところ、彼の優待投資生活に憧れを抱く投資家が一定数いることがわかりました。
一方で、実際にやってみたら株主優待をうまく活用しきれないといった声も上がっています。
良い口コミ
桐谷さんのXでの銘柄紹介は多くの投資家に注目されており、「桐谷さんが買ったから」と追随して利益を上げたという声も見られます。
①桐谷さんのXで知った
②かなり努力している。
③面白いな~この人
④大好きな優待投資家
膨大な優待制度や利回りを暗記している姿からは、見えない努力と分析力の高さが伝わるとの声もあり、高く評価されています。
75歳を超えても精力的に活動する姿勢も多くの共感を呼んでおり、「面白い」「元気をもらえる」といった声も寄せられています。
悪い口コミ
桐谷さんのような優待生活に憧れて銘柄を購入したものの、「使い切れずに期限切れの優待券がたまってしまった」といった後悔の声も見られます。
①憧れて優待券買ったけど使い切れなかった
②目的がぶれる投資で後悔
③優待の使い方が下手
④整理が追いつかず部屋もひどいことに
優待を活用するには計画性や生活スタイルとの相性が不可欠であり、使いこなせなければストレスや無駄につながることも。
また「優待を使うことが目的化してしまい、生活に縛られているように見える」と、現実的な課題を感じたという口コミも見られます。
優待株は魅力的ですが、自分に合った無理のない投資が大切だと気づかされる声が多くありました。
桐谷さんの株主優待生活は参考にできる?
桐谷さんの投資手法や評判の調査結果をふまえると、彼の株主優待生活は参考になる部分と、そうでない部分があります。
参考にすべき点は以下のとおりです。
- 配当+優待利回りを重視した長期保有スタイル
- 自分の生活に役立つ実用的な銘柄選び
- 「日経連続増配株指数」など信頼性の高い指標の活用
「優待+配当の利回り=4%以上」を重視する視点は、銘柄選びで失敗しないための1つの指標になります。
一方で、約900銘柄という膨大な保有数を管理し、優待内容を把握して活用し続けるには、相当な情報処理力と時間、そして体力が必要です。
自分の生活スタイルに合った優待を無理なく楽しむことこそ、株主優待の「真の成功の形」と言えるのではないでしょうか。