やまびこ投資顧問は登録取消し?無登録会社の支配と当局への虚偽届出を検証【2026年】
目次
検証対象: やまびこ投資顧問株式会社に対する行政処分について(関東財務局)
「やまびこ投資顧問 行政処分」で検索して、ここに来たはずです。
「オール株価チャンス」のはがきを送った覚えがある人もいるでしょう。あの雑誌と何の関係があるのかが気になるはずです。
先に結論を書きます。やまびこ投資顧問は、無登録の別会社に支配され当局に虚偽の届出をしていたとして、2026年4月7日に登録を取り消されました。
登録業者の看板を掲げながら、銘柄を選んでいたのは登録のない側の人物だった。これが処分文の骨子です。
当サイトが公的資料で確認できたのは3つです。
- 「オール株価チャンス」を出す株式会社産業と経済の実質的支配者・山田晃氏が、やまびこの重要事項をすべて決めていた
- 登録拒否要件に当たる営業員を隠し、当局に虚偽の届出をしていた。株主でもある営業員が検査官への口止めまでした
- 関東財務局が登録取消しを命じ、公式サイトは9月14日時点で消えている
「登録業者でもこうなるのか」と感じたなら、その驚きは正当です。
ただ、驚くだけでは次に困ります。当サイトは「登録一覧で番号を確かめる」と勧めてきました。その手順だけでは、この会社は見抜けなかったからです。
必要なのは「登録があるか」の一段先です。登録番号の名義人と、実際に銘柄を選んでいる人が同じかを見る物差しです。
「誰が銘柄を選んでいるか」は、雑誌の広告からも電話勧誘からも見えません。見えないものを見る手順を持っておく価値があります。
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やまびこ投資顧問とは?「オール株価チャンス」で集客していた登録番号2868号
やまびこ投資顧問株式会社は、東京都中央区新川の投資助言・代理業者でした。登録番号は関東財務局長(金商)第2868号です。

監視委員会の勧告文によると、資本金1,000万円、常勤役職員10名。代表取締役は畑孝光氏で、役員はこの1名だけです。
集客のやり方が独特でした。株式会社産業と経済が出す株式情報誌「オール株価チャンス」に広告を載せます。四半期ごとの雑誌です。
雑誌に綴じ込まれた返信用はがきを送ってきた人に電話をかけ、投資顧問契約を結ぶ。営業活動はこの雑誌に大きく依存していたと処分文にあります。
この産業と経済社には、金融商品取引業の登録がありません。2022年12月に解散し、2026年1月に清算を結了しています。
国税庁の法人番号公表サイトも見ました。


変更履歴は2017年4月の本店移転1件だけ。同じ新川の中で、ビルを移しています。商号は変わっていません。
登録業者の裏に無登録会社|関東財務局が認定した支配の構図
2026年4月7日、関東財務局は処分文を公表しました。監視委員会の勧告は3月13日付です。
認定は3つの柱に分かれます。最初の柱が「支配の構図」で、これがすべての土台です。
人事も経理も銘柄選定も、山田氏が決めていた

山田晃氏は、産業と経済社の元取締役で実質的支配者です。やまびこと「経営全般に関するコンサルティング契約」を結んでいました。2020年3月のことです。
財務局が確認した関与の範囲は、コンサルの域を超えていました。職員の人事と労務、経理処理の指示、助言銘柄の選定、当局対応の指示、株主の決定。
「オール株価チャンス」の大部分も、山田氏の監修のもとでやまびこの役職員が書いていました。処分文は、2社が「同氏の支配のもとで一体として経営されている」と結論づけています。
6か月20万円の「プラチナ会員」は、無登録の投資助言だった
産業と経済社は「プラチナ会員」というサービスも売っていました。会費は6か月で20万円。週1回、推奨銘柄と目標株価をメールかファクシミリで送る内容です。
これは登録が要る投資助言業務です。産業と経済社に登録はない。やまびこの役職員は、その勧誘チラシの封入作業を業務時間中に続けていました。

関東財務局は勧告と同じ3月13日に、産業と経済社を無登録業者として警告しました。備考にはこうあります。「やまびこ投資顧問社を検査した結果、判明したもの」。
この警告そのものは、産業と経済の記事で先に取り上げています。今回はその裏側です。
営業員が個人で36名に助言し、会社は放置した

もう1人、「B営業員」がいます。2018年1月以降、自分で選んだ銘柄を個人36名に助言していました。総額約550万円を個人として受け取っていたのです。
会社がこれを知ったのは2022年6月。36名のうち1人が訴訟を起こしたからです。畑代表は通帳の写しを求めました。B営業員は応じませんでした。
そこで調査は止まりました。他にも顧客がいるはずだと疑いながら、追加の調査をしていません。
登録業者の中に、無登録の助言が3つの経路で入り込んでいました。支配者の別会社、営業員の個人契約、そして雑誌の執筆です。
顧客から見れば、どれも「やまびこの人」から届く情報です。登録番号が守っていたのは、そのうち1つの経路だけでした。
❞虚偽の届出と検査官への口止め|「情状が特に重い」とされた理由

2つ目の柱は、当局への届出です。話は2017年9月にさかのぼります。
登録簿に載っていない人物が、契約前の交付書面に「投資判断者」として書かれていました。当局に指摘され、会社は同年12月に変更届を出します。
その際、B営業員については「退任した。パート従業員として残るが投資判断業務はしない」と報告しました。
実際は違いました。B営業員は法律上の登録拒否要件に当たる人物です。会社はそれを知っていました。そして退任届のあとも、同じように投資判断業務をさせていたのです。
財務局はこれを「当局に対し事実を隠匿し、虚偽の届出及び報告を行っていた」と書きました。
さらに今回の検査中のことです。株主でもあるA営業員がB営業員に、検査官へ口外しないよう口止めをしていました。「検査官による事実確認を妨げるよう謀ったもの」。処分文の中で最も強い表現です。
この2つが重なりました。金商法52条1項10号の「情状が特に重いとき」に当たると判断されています。登録取消しの直接の根拠です。
処分の内容と、消えた公式サイト

処分は登録取消しです。あわせて業務改善命令が3項目。全顧客への説明、投資顧問契約の適切な終了、そして5月7日までの書面報告です。
3つ目の柱は人の問題です。畑代表とコンプライアンス部長に「必要な知識・経験があるとは認められない」と書かれました。畑代表自身が、山田氏に意見を言うのは難しいと認めていたためです。
| 日付 | 出来事 | 出典 |
| 2017年12月 | B営業員の退任届を提出。「投資判断業務はしない」と報告 | 関東財務局 処分文 |
| 2018年1月以降 | B営業員が個人36名に無登録で助言(約550万円) | 関東財務局 処分文 |
| 2020年3月 | 畑氏が代表取締役に就任。山田氏とコンサル契約 | 関東財務局 処分文 |
| 2022年6月 | 顧客の訴訟でB営業員の個人助言が発覚。調査は打ち切り | 関東財務局 処分文 |
| 2022年7月 | A営業員が山田氏の意向で100%株主に | 関東財務局 処分文 |
| 2026年3月13日 | 監視委員会が勧告。財務局が産業と経済社に警告 | 監視委員会・関東財務局 |
| 2026年4月7日 | 登録取消し・業務改善命令 | 関東財務局 |
公式サイトのyamabiko-inv.comを9月14日に開きました。

「このドメインはサイトに接続されていません」。会社の告知も、料金も、特定商取引法の表記も、何ひとつ残っていません。
本店不明のまま消えたスカイキャピタルと似た終わり方です。説明の場そのものが消えました。
会費20万円は誰に払っていたのか|登録の「保護」が届く範囲
この件で一番大事なのは、金額ではなく「保護の範囲」です。図にする代わりに、表で整理します。
| お金の払い先 | 登録 | 銘柄を選んでいた人 | 金商法の保護 |
| やまびこ投資顧問(投資顧問契約) | あり(第2868号) | 山田氏の関与のもとで選定 | 及ぶ |
| 産業と経済社(プラチナ会員・6か月20万円) | なし | 山田氏が監修 | 及ばない |
| B営業員(個人契約・計約550万円) | なし | B営業員本人 | 及ばない |
3つの払い先で、銘柄を選ぶ側の顔ぶれは重なっています。違うのは、登録があるかどうかだけです。
顧客の側からは、この違いが見えません。同じ雑誌、同じ電話、同じ「先生」から届く情報だからです。
そして登録のあるやまびこ自身も、当局に虚偽の届出をして登録を維持していました。登録番号は「今この瞬間、当局がこの会社を信用している」という証明ではありません。
財務局は注意喚起のページで、登録業者でも信用力が保証されているわけではないと書いています。この件は、その一文の実例です。
「登録番号を確かめましょう」と当サイトも書いてきました。この件では、それだけでは足りませんでした。
次に見るべきは、契約前の交付書面にある「投資判断者」の名前です。電話で銘柄を語る人と、書面の名前が一致しているか。そこがずれていたら、登録の外で助言を受けている可能性があります。
❞やまびこ投資顧問で評価できる点
一方で、事実として評価できる点もあります。3つ挙げます。
- 2017年の指摘に対し、変更届自体は提出している(内容は虚偽と認定された)
- B営業員の訴訟を受けて、代表が通帳の提出を求める初動は取っている
- 法人番号・登録番号・所在地が公的資料で一貫しており、責任の所在は追える
個人名で警告を受けた川合純惠氏の件とは違います。実体が見えないケースではありません。
足りないのは、その初動を最後までやり切らなかったこと。そして、やり切れない理由が会社の外の人物にあったことです。
やまびこ投資顧問についてよくある質問
やまびこ投資顧問は今も営業していますか?
していません。2026年4月7日に関東財務局が登録を取り消しました。公式サイトも9月14日時点で表示されなくなっています。
改善命令は「投資顧問契約を適切に終了させること」を命じています。契約は会社側から終了の手続きが取られているはずです。
「オール株価チャンス」は今も発行されていますか?
発行元の株式会社産業と経済は、2022年12月に解散しました。2026年1月に清算を結了し、法人としては消滅しています。
同じ名前の雑誌や会員サービスが別の主体で続いていないか。届いた案内の発行元を確かめてください。
プラチナ会員に払った20万円は返ってきますか?
プラチナ会員の契約先は無登録の産業と経済社で、金融商品取引法の保護は及びません。財務局の警告も返金を命じるものではありません。
契約書・振込記録・届いたメールやファクシミリを保存してください。そのうえで、消費者ホットライン188か金融庁の相談窓口に伝えてください。
登録業者なら安全だと思っていました。何を見ればよかったのですか?
契約前に渡される交付書面の「投資判断者」の欄です。電話で銘柄を語る人の名前がそこにあるかを確かめてください。
雑誌や別会社の名前で会員サービスを勧められたら要注意です。その会社の登録の有無を金融庁の登録一覧で引いてください。
まとめ|やまびこ投資顧問の件から持ち帰る「登録の一段先」
調べた内容を一覧にします。登録番号の名義人と、実際に銘柄を選ぶ人が一致しない投資顧問には近づかないでください。
| 確認した項目 | 結果 |
| 登録番号 | 関東財務局長(金商)第2868号(2026年4月7日 取消し) |
| 実質的支配者 | 産業と経済社の元取締役・山田晃氏(登録なし) |
| 集客経路 | 「オール株価チャンス」の広告と返信はがき→電話勧誘 |
| 無登録の助言 | プラチナ会員(6か月20万円)/B営業員の個人契約36名・約550万円 |
| 虚偽届出 | 2017年12月、登録拒否要件のB営業員を「退任」と報告 |
| 検査への妨害 | 株主のA営業員がB営業員に口止め |
| 処分の根拠 | 金商法52条1項10号「情状が特に重いとき」ほか |
| 公式サイト | 9月14日時点で消滅 |
この記事を読む意味があるのは、次のような人です。
- やまびこ投資顧問やプラチナ会員に払った人で、契約先がどちらだったかを確かめたい人
- 「オール株価チャンス」のはがきを送ったことがあり、電話の主が誰だったか気になる人
- 登録業者を選ぶときに、「投資判断者」の欄を見る習慣をつけたい人
反対に、次の考え方には注意が必要です。
- 「登録一覧に載っているから安全」と登録の有無だけで判断している人
- 雑誌の広告に出ている投資顧問を雑誌が推薦していると受け取っている人
- 担当者が親身だから会社の中身も同じだと思っている人
「登録業者」と契約する前に確認したい5項目
- 交付書面の「投資判断者」の名前が、実際に銘柄を語る人と一致するか
- 勧誘のきっかけになった雑誌・別会社の名前で金融庁の登録一覧を引いたか
- 「会員」「特別コース」の契約先の会社名が、登録業者と同じか
- 担当者から個人的に銘柄を教えると言われていないか
- 関東財務局の行政処分一覧と無登録警告一覧の両方に社名がないか
株的中.comは1,000件を超える投資顧問・株情報サイトを検証し、読者からのべ39,000件以上の口コミが寄せられています。その中から見た所感です。
私が見たのは、関東財務局の処分文、監視委員会の勧告文、産業と経済社への警告、国税庁の履歴、そして消えた公式サイトです。
やまびこの件は、当サイトが積み上げてきた「登録番号を引け」という助言の限界を突きつけました。登録は入口であって、答えではありません。
登録番号の名義人と、銘柄を選ぶ人の名前を突き合わせる。これを次の1項目として足してください。
ここで挙げた5項目は、他の投資顧問にもそのまま使えます。
「投資判断者」の欄を1回見る習慣を持ってください。登録の外で助言を受けている状態に早く気づけます。産業と経済や川合純惠氏の警告を調べたときも、同じ視点で追っています。処分前の会社情報はこちらの記事に残しています。
「誰が銘柄を選んでいるか」が見えないサービスは、登録の有無にかかわらず同じ弱点を持っています。そこを見れば次も自分で判断できます。
管理人が実際に使っている銘柄と売り時をAIが示す手法は、コロンブスの卵の公式LINEで細かいところまで公開しています。
電話の向こうの「先生」が誰なのか、この記事の5項目で見比べてみてください。
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出典(いずれも2026年9月14日確認)
- 関東財務局「やまびこ投資顧問株式会社に対する行政処分について」令和8年4月7日
- 証券取引等監視委員会「やまびこ投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」令和8年3月13日
- 関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行う者について(株式会社産業と経済)」令和8年3月13日
- 関東財務局「悪質な投資勧誘にご注意下さい!」(登録業者の信用力は保証されていない旨の記載)
- 金融庁「やまびこ投資顧問株式会社に対する行政処分について」令和8年4月7日
- 国税庁法人番号公表サイト(法人番号9010001166954・やまびこ投資顧問株式会社)
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