ユニオン証券アドバイザーズの行政処分とは?仲介業の登録でファンド12億円を私募した件を検証【2026年】
目次
検証対象: 関東財務局「株式会社ユニオン証券アドバイザーズに対する行政処分について」令和5年6月9日
IFA(独立系アドバイザー)として付き合いがあったか。出資の誘いを受けて、社名を調べたのだと思います。
先に事実を書きます。関東財務局が2023年6月9日に登録取消しの行政処分を出しています。
仲介業の登録そのものは本物でした。ただし、仲介業の登録のまま12億2700万円のファンドを私募していました。
当サイトが公的資料で確認できたのは3つです。
- 2021年12月〜2022年8月に56名(延べ134名)へ出資を勧誘した。12億2700万円が出資された
- 持っていた登録は金融商品仲介業(金仲)第824号だけ。ファンドの私募には第二種金融商品取引業の登録が要る
- 処分の4か月後に商号を変え、6か月後に合併で解散。会社は今ありません
登録番号を見て安心していた人ほど、処分の文面に驚いたはずです。その感覚は的外れではありません。
ただ、この1社を避けるだけでは次の提案でまた迷います。
必要なのは「登録があるか」ではなく、「何の登録か」を見分ける物差しです。
「登録あり」の一言で安心しない読み方は、一度覚えれば他の会社にもそのまま使えます。
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ユニオン証券アドバイザーズとは?IFAとしての登録と会社情報
IFA法人です。SBI証券・楽天証券・あかつき証券の3社と提携していました。
IFAは証券会社の委託を受けた業者です。口座開設や売買の仲介をします。

| 会社名 | 株式会社ユニオン証券アドバイザーズ |
| 登録 | 関東財務局長(金仲)第824号(2023年6月9日に取消し) |
| 所属金融商品取引業者 | SBI証券・楽天証券・あかつき証券(公式サイト2021年保存版) |
| 所在地 | 東京都千代田区九段南4-7-22-404 |
| 代表者 | 杉山剛(2021年12月31日付で退任)→ 杉山兼二郎 |
| 資本金 | 980万円 |
| 役職員・契約外務員 | 49名(監視委員会の勧告時) |
| 法人番号 | 3011201019668 |
| 現在の状態 | 2023年12月28日に合併し解散(登記記録の閉鎖) |
公式サイトは現在403で開けません。会社概要はInternet Archiveの保存版で見ました。
金融庁の仲介業者一覧は、2026年7月31日現在で680社です。そこに社名も第824号も載っていません。

ユニオン証券アドバイザーズが行政処分を受けた理由を3つに分ける
処分文は1ページです。何を売ったか、なぜ無登録か、何を命じられたかの3つに分けて読みます。

何を売ったのか|任意組合の出資持分12億2700万円
売っていたのは「特定の民法上の任意組合」の出資持分です。
期間は2021年12月から2022年8月までの9か月です。前代表の杉山剛氏が中心だったと処分文にあります。
勧誘されたのは少なくとも56名(延べ134名)です。12億2700万円が任意組合に出資されました。
任意組合が何をしていたか。監視委員会の参考資料に書かれています。

概要図には注記があります。「出資金を原資にファクタリング事業を行っている」です。
株や投資信託ではなく、事業に出資して分配を受ける形です。これが集団投資スキーム持分にあたります。
なぜ無登録になるのか|仲介業の登録は「所属証券会社のため」の業務
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。
金融商品取引法第2条第11項に、仲介業の定義があります。
証券会社などの委託を受けて行う業務です。その証券会社のために、売買の媒介や私募の取扱いをします。
つまり私募を扱えるのは、所属証券会社の商品に限られます。
今回の任意組合は、所属証券会社の商品ではありません。
業務執行組合員のために勧誘した時点で、仲介業の外側に出ます。必要なのは第二種金融商品取引業の登録です。

もう1つあります。出資金を自社の銀行口座で受け、組合へ送金していました。
これは金銭の預託にあたります。第一種金融商品取引業に該当すると認定されました。
仲介業者は、顧客から金銭を預かること自体が禁止です(金商法第66条の13)。
登録の種類を2つ飛び越えた形です。
処分文には「法令に対する理解が不足したまま取得勧誘を開始していた」とあります。外務員49名を抱える登録業者の説明です。
理解不足のまま9か月で12億円が集まったことになります。仲介業の登録番号がどこで信用に使われたかは、まぁお察しです。
❞会社に何が命じられたか|登録取消しと業務改善命令の4項目

処分は2つです。関東財務局長(金仲)第824号の登録取消しと、業務改善命令です。
- 無登録の行為を直ちに取り止める
- 私募した全ファンドの顧客ごとの出資日・金額・償還状況を把握し報告する
- すべての顧客に処分内容を説明し、投資者保護の措置をとる
- 2023年7月10日までに書面で報告し、完了まで随時報告する
根拠は金商法第66条の20第1項第1号。「他に行っている事業が公益に反する」に当たるとされました。
出資者への説明は、財務局が会社に命じた義務です。届いていなければ問い合わせる根拠になります。
ユニオン証券アドバイザーズの出資額を1人あたりに直す
12億2700万円という数字を、母数で割ってみます。
| 出資総額 | 12億2700万円 |
| 出資者 | 56名 |
| 延べ勧誘件数 | 134名 |
| 期間 | 2021年12月〜2022年8月(9か月) |
| 1人あたり | 約2,191万円 |
| 延べ1件あたり | 約916万円 |
| 1か月あたり | 約1億3,600万円 |
12億2700万円÷56名=1人あたり約2,191万円。個人の出資としては桁が大きい金額です。
延べ134名で割っても1件約916万円。少額の分散投資ではありません。
IFAの本業は証券口座の仲介です。手数料は所属証券会社の体系に従います。
公式サイトは「明確な手数料体系」と書いていました。一方で、任意組合の手数料や利回りは公表資料にありません。
出資の条件そのものは、処分文からは確認できませんでした。
ユニオン証券アドバイザーズの宣伝文と処分文のずれ
公式サイトの保存版から、宣伝文を見ておきます。

「投資における最良のパートナーを目指して」と表示されています。「お客様ファースト宣言」も掲げています。
会社概要には「元大手証券・金融機関出身のトップセールス」ともあります。「プロフェッショナル集団」という言葉も並びます。
処分文の側はこうです。
- 前代表は「法令に対する理解が不足したまま」勧誘を開始
- 現代表は「前代表の指示に従うまま」で、経営管理の意識が欠如
- 監視委員会は「投資者保護上重大な問題」と評価
宣伝文は「プロフェッショナル」です。処分文は「理解が不足」です。同じ会社の説明です。
どちらが実態に近いか。12億2700万円という結果のほうが物語っています。
ユニオン証券アドバイザーズの評判|個人の口コミは見つからず、残るのは公的記録
X・Yahoo知恵袋・5ちゃんねるで社名を検索しました。確認日は2026年9月4日です。
出資者本人の投稿は見つかりませんでした。社名の口コミ自体がほとんどありません。
残っているのは公的機関の記録です。良い側と悪い側を分けます。
良い側:仲介業の登録は本物でした。所属証券会社3社の登録番号まで公式サイトに載せていました。
悪い側:監視委員会は「投資者保護上重大な問題」と明記しています。国民生活センターも勧告を転載しました。
口コミが少ないのは、対面で勧誘された案件によくある形です。
ネットに出ていないだけで、出資者56名は処分文に記録されています。
検索して何も出ない会社を「問題なし」と読む人がいます。今回は逆で、検索に出ないまま12億円が動いていました。
口コミより先に財務局の処分一覧と法人番号を引いてください。この2つは消せません。
❞ユニオン証券アドバイザーズは今どうなっているか|商号変更と合併解散
国税庁の法人番号公表サイトを引きました。法人番号は3011201019668です。

商号は「東郷管理株式会社」に変わっています。
状態は「登記記録の閉鎖等」。2023年12月28日に東郷コンサルティング株式会社に合併し、解散しています。

変更履歴を並べると、処分後の動きが見えます。
- 2023年6月9日|登録取消し
- 2023年10月16日|商号を「ユニオン証券アドバイザーズ」から「東郷管理」へ変更
- 2023年12月28日|東郷コンサルティングに吸収合併されて解散
合併先は東郷コンサルティングです。2023年1月11日に法人番号を取得した会社です。
旧商号は「ユニオンファクター株式会社」。所在地は九段南4-7-22-404で、処分を受けた会社と同じです。
処分文の任意組合との関係は、公表資料からは確認できませんでした。
出資者への説明義務を負った会社です。それが処分の半年後に法人として消えているのは事実です。
出資の問い合わせ先は2つです。合併先か、公的な相談窓口です。
- 金融庁 金融サービス利用者相談室|0570-016811
- 消費者ホットライン|188
- 証券取引等監視委員会|情報提供窓口
商号を変えて別会社に吸収させると、社名検索では処分に行き着かなくなります。追えるのは法人番号だけです。
社名ではなく法人番号で引く。今回いちばん効いた手順です。
❞ユニオン証券アドバイザーズで評価できる3つの点
批判だけでは公平ではありません。事実として評価できる点を3つ挙げます。
- 仲介業の登録は本物で、所属証券会社3社の登録番号まで公式サイトに載せていた
- 処分の経緯が財務局・監視委員会・金融庁の3か所の一次資料で追える
- 業務改善命令に顧客ごとの出資状況の把握と報告が含まれる。出資者の情報が当局に残る形になった
特に1つ目は、当サイトが扱う案件の多くが持っていないものです。
本物の登録があった会社でも、登録の外側の商品を売れば無登録になる。それを教えてくれる事例です。
ユニオン証券アドバイザーズについてよくある質問
ユニオン証券アドバイザーズは今も営業していますか?
していません。2023年6月9日に登録が取り消されました。2023年12月28日には合併で解散しています。
金融庁の仲介業者一覧(2026年7月31日現在)にも社名は載っていません。
行政処分の理由は何ですか?
仲介業の登録しかない状態で、任意組合の出資持分を56名に勧誘したことです。集めた額は12億2700万円でした。
第二種と第一種の金融商品取引業にあたる行為でした。それを無登録で行ったと認定されました。
出資したお金は戻ってきますか?
公表資料からは分かりません。業務改善命令では、顧客ごとの出資・償還状況の把握と報告が命じられました。
出資日・金額・振込先の記録を残してください。相談先は金融サービス利用者相談室(0570-016811)か188です。
IFA(金融商品仲介業者)は全部危ないのですか?
違います。仲介業の登録は正規の制度です。所属証券会社の商品を扱う限り問題はありません。
見るべきは、勧められた商品が所属証券会社の商品かどうかです。
まとめ|ユニオン証券アドバイザーズの件で持ち帰る「登録の種類」の物差し
調べた内容を一覧にします。
| 確認した項目 | 結果 |
| 行政処分 | あり(2023年6月9日・登録取消し) |
| 処分の理由 | 無登録で集団投資スキーム持分を私募 |
| 出資の規模 | 56名・12億2700万円 |
| 持っていた登録 | 金融商品仲介業(金仲第824号)のみ |
| 必要だった登録 | 第二種(勧誘)・第一種(金銭の預託) |
| 現在の状態 | 商号変更→2023年12月28日に合併し解散 |
| 個人の口コミ | 見つからず |
結論です。IFAから所属証券会社以外の商品を勧められたら、その場で登録の種類を確認してください。
仲介業の番号は、ファンドを売る資格ではありません。
IFA経由の投資が向いている人
- 所属証券会社の口座で、株や投資信託を買う人
- 提案書に所属証券会社名と登録番号があるかを確認できる人
- 名刺ではなく金融庁の一覧で登録を引ける人
IFAからのファンド提案をやめたほうがいい人
- 振込先が証券会社の口座ではない提案を受けている人
- 「任意組合」「事業出資」「分配金」の説明を受けている人
- 口座を持たない相手に、数千万円単位の出資を求められている人
IFAから出資を勧められたときに確認したい5項目
- 商品が所属証券会社の商品か
- 振込先が証券会社名義の口座か
- 登録番号が「金仲」か「金商」か(ファンドは金商)
- 会社を法人番号で引き、商号変更や合併がないか
- 財務局の処分・警告一覧に社名がないか
株的中.comは1,000件を超える投資顧問・株情報サイトを検証し、読者からのべ39,000件以上の口コミが寄せられています。その中から見た所感です。
登録業者の処分は、無登録業者の警告より読者が油断しやすい案件です。番号が本物だからです。
今回は仲介業の番号を持つ会社が、番号の外側でファンドを売り、処分の半年後に法人ごと消えました。出資者への説明義務だけが宙に浮いています。
番号の有無ではなく、番号の種類で判断してください。これが現時点の答えです。
ここで使った5項目は、IFAに限りません。「登録あり」を名乗る相手すべてに使えます。
物差しを1つ持てば、次に「登録業者です」と言われても迷いません。何の登録かを聞くだけで判断できます。
登録の種類を見分けられるようになると、投資先を選ぶ目も変わります。
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行政処分や無登録ファンドを検証した記事はほかにもあります。
第一プレミア証券は処分後の社名変更、ヤマワケエステートは出資金の流用を扱っています。
坂本俊吾の記事では、無登録ファンドと裁判所の命令を検証しました。
出典(いずれも2026年9月4日確認)
- 関東財務局「株式会社ユニオン証券アドバイザーズに対する行政処分について」令和5年6月9日
- 証券取引等監視委員会「株式会社ユニオン証券アドバイザーズに対する検査結果に基づく勧告について」令和5年5月26日
- 証券取引等監視委員会 参考資料「本件事案(無登録金商業)の概要図」令和5年5月26日
- 証券取引等監視委員会「市場へのメッセージ」令和5年6月26日
- 金融庁「株式会社ユニオン証券アドバイザーズに対する行政処分について」令和5年6月9日
- 金融庁「金融商品仲介業者登録一覧」令和8年7月31日現在
- 国税庁法人番号公表サイト(法人番号3011201019668・4010001232050)
- 金融商品取引法 第2条第11項・第28条・第29条・第66条の13・第66条の20(e-Gov法令検索)
- ユニオン証券アドバイザーズ公式サイト「会社概要」(Internet Archive・2021年4月22日保存版)
- 同 公式サイト「トップページ」(Internet Archive・2022年3月23日保存版)
- 金融庁 金融サービス利用者相談室(0570-016811)/消費者庁 消費者ホットライン188





