ICHiGUは怪しい?「紹介しただけ」の説明と無登録警告を検証【2026年】
目次
検証対象: 関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行う者について(ICHiGU株式会社)」
「うちは紹介しただけ」。そう言われて、納得しかけていませんか。
結論を先に書きます。この会社を通じて社債を買わないでください。無登録営業として国の警告を受けています。
公表日は2026年5月15日。関東財務局の警告です。
この案件には、めったに見られない記述が残っています。確認できたことは3つです。
- 業者は「事実情報の提供をしただけ」と説明していた
- 財務局はそれを退け、報酬を得ていた実態を認定した
- 本店は警告の10か月前に移転していた
警告文に業者の言い分がそのまま載っているのは、めずらしいことです。
言い分と認定を並べて読むと、どこで線が引かれるのかが見えます。
関東財務局が公表した内容
公表資料そのものを見てください。

項目を整理します。
| 業者名等 | ICHiGU株式会社 代表取締役 五十嵐大輔 |
| 所在地 | 山形県山形市幸町2番9号 リージャス山形駅前ビジネスセンター1F2F |
| 内容等 | グローバルブリッジファンド合同会社が発行する少人数私募債の募集又は私募の取扱い |
| 警告日 | 令和8年5月15日(2026年5月15日) |
社債を発行していたのは、この会社ではありません。
ICHiGU株式会社が問われたのはその社債を売る側に回っていたことです。
なお、カタカナ表記のイチグウ株式会社(東京都・人材関連)は別の会社です。混同しないでください。
業者は「事実情報の提供だけ」と説明していた
備考欄の前半に、業者側の説明が書かれています。
当該業者は、当時の認識として、コンサルティング業務の一環として当該商品が存在する旨の「事実情報の提供」を行ったのみである旨を述べていた。
関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行う者について(ICHiGU株式会社)」令和8年5月15日
言い分を整理すると、こうなります。
- 本業はコンサルティングである
- その一環として商品の存在を伝えただけ
- だから販売はしていない
知人から「こういう商品があるらしい」と聞く。それ自体は日常にあります。
この説明が通るなら、警告は出なかったはずです。
財務局が見たのは、報酬の流れだった
備考欄は「但し」で続きます。ここが分かれ目です。
但し、実態は利率・債券発行の有無などの商品内容等、申込手順や期日などの取得申込手続に関する説明を行い、発行体から間接的に当該商品の契約成立と連動して支払われる報酬を得ていた。
関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行う者について(ICHiGU株式会社)」令和8年5月15日
認定された行為を並べます。
| 説明していた内容 | 利率、債券発行の有無などの商品内容 |
| 案内していた手続 | 申込手順、期日などの取得申込手続 |
| 受け取っていたもの | 発行体から間接的に支払われる報酬 |
| 報酬の条件 | 契約の成立と連動 |
ここで効いているのが、最後の行です。
契約が成立したときだけお金が入る仕組みになっていました。
単なる世間話であれば、成約に連動した報酬は発生しません。
読者が使える見分け方は、ここから引き出せます。
- 相手は商品の中身まで説明しているか
- 相手は申込みの手順や期限を案内しているか
- 相手は成約したら報酬を受け取る立場か
3つ当てはまるなら、それは紹介ではなく販売に近い行為です。
同じ社債をめぐる別の会社の件も、当サイトで扱っています。
勧めてきた人に、報酬が入るのかを聞くのは失礼ではありません。
むしろ最初に確かめるべきことです。
本店は警告の10か月前に移っていた
会社の登記も見ておきます。

変更履歴に、本店の移転が2回記録されています。
| 令和2年10月19日 | 法人番号の指定 |
| 令和5年6月8日 | 山形市江南から山形市青田へ |
| 令和7年7月15日 | 山形市青田から山形駅前のビジネスセンターへ |
| 令和8年5月15日 | 関東財務局が警告を公表 |
現在の所在地は、レンタルオフィスを運営する施設です。
この種の施設では、事務所スペースを持たずに住所だけを借りる契約も選べます。
どちらの契約かは、公開情報では分かりません。断定はしません。
ただ、警告の10か月前に移転している事実は残ります。
公式サイトに社債の話は載っていない
会社のサイトは、2026年8月29日時点で開けます。

事業案内に並んでいるのは、金融とエネルギー関連の分野です。
当サイトが見た範囲では、社債や私募債という言葉は見当たりませんでした。
サイトを見ただけでは、警告の対象になった行為にたどり着けません。
だからこそ、名前で警告リストを引く手順が要ります。
知り合いから勧められた話ほど、断りにくいものです。
断りにくい相手ほど、判断は自分の外に置いておくのが安全です。
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確認できなかったこと
裏が取れなかった点も書いておきます。
- 社債を何人が購入したのか
- 集まった金額
- 報酬の具体的な金額や料率
- 社債が約束どおり償還されたか
- 現在の所在地での契約形態
これらは公表資料に書かれていません。推測は書きません。
よくある質問
友人に商品を教えるだけでも問題になりますか
今回の認定で重く見られたのは成約に連動した報酬でした。
対価を受け取らず、商品の内容や申込手続の説明もしていなければ、性質は変わります。
発行体の会社は警告されていないのですか
今回のリストに載っているのは、募集を取り扱った側の会社です。
発行体そのものへの警告は、当サイトでは確認できていません。
すでに社債を購入しました
契約書、振込記録、担当者とのやり取りをすべて保存してください。
そのうえで消費者ホットライン(188)と金融庁の金融サービス利用者相談室に相談してください。
警告を受けた会社の一覧はどこにありますか
各財務局のサイトに、無登録業者への警告一覧が公開されています。
会社名で探せるので、勧誘を受けた時点で引いてみてください。
まとめ:言い分ではなく、報酬の向きを見る
今回の件を短くまとめます。
- ICHiGU株式会社は2026年5月15日に警告を受けた
- 業者は「事実情報の提供だけ」と説明していた
- 財務局は商品説明と申込手続の案内を認定した
- 報酬は契約の成立と連動していた
- 本店は警告の10か月前に移転していた
紹介か販売かは、言葉ではなくお金の流れで決まります。
勧めてきた相手に報酬が入るなら、それは中立な情報提供ではありません。
聞きにくくても、必ず確かめてください。
無登録の警告を受けた業者は、ほかにも扱っています。
見たのは、財務局の警告文と国税庁の登記情報、それに会社の公式サイトです。
この案件が参考になるのは、業者の言い分がそのまま残っている点です。「紹介しただけ」という説明が、どこで通らなくなるのかが読み取れます。
この会社を通じて社債を買わないでください。これが現時点の答えです。
すでに話が進んでいる方も、契約前なら止められます。
申込期限を急かされているなら、その場で判断しないでください。
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出典(いずれも2026年8月29日確認)
- 関東財務局「無登録で金融商品取引業等を行う者について(ICHiGU株式会社)」令和8年5月15日
- 国税庁法人番号公表サイト(法人番号8390001016239)
- ICHiGU株式会社 公式サイト





